列強興亡史 -great powers history-

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アメリカ史戦間期編②(1925~1929年)(執筆中)

1925年~1929年 

1924年大統領選挙

 1924年大統領選は社会党はデブス候補、共和党はラフォレット候補、民主党候補はコックス候補の三つ巴で大統領選は再び社会党のデブス候補が制した。1921年社会党政権が成立を境にアメリカの政党政治は変化し始めた。まず、共和党ローズヴェルトの革新主義路線を受け継ぎ主に北部地域に地盤を持つリベラル政党へと変化し始めた。。対して民主党保守主義路線へと傾倒し主に南部地域に地盤を持つ保守政党へと変化し始めた。社会党社会民主主義を掲げ中西部地域、西部地域に地盤を持つ第三政党として台頭した。こうしてアメリカの政党間の分極化し始め後に第五政党制時代と呼ばれる時代に突入した。以下社会党の諸政策である。

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(左から)デブス社会党候補、ラフォレット共和党候補、コックス民主党候補



経済産業政策

2期目ではアメリカの産業発展の副産物であった格差拡大の是正の為に反トラスト法の発動によるローズヴェルト以上の巨大資本の統制を図った。最低賃金制度と累進課税制度を導入し所得再分配を図ることで格差是正を図った。農業政策においては農民の利益保護と農産物の安定的生産と供給を図る為に連邦政府が支援する形で農業協同組合の組織と強化、農民の組合加入促進と農協による農場経営と貯蔵施設、加工施設、輸送手段の農協管理化を推進することで農民の雇用安定と農産物の安定的供給、そして営利企業の参入障壁を設ける法律を定めた。当時加熱し高騰していた株式市場における金融所得に対する課税と政府の市場介入への法案が検討されたが議会の民主党共和党の両保守派議員の反対に遭い行われなかった。

 

公共福祉政策

2期目では公的国民皆保険制度、公的老齢年金制度、失業保険制度を導入した。鉄道事業、通信・電気事業、水道事業、ガス事業などの基幹産業の公有化を実施した。教育制度の充実の為に初等中等過程の義務教育制度の導入と学校給食無償化や私立学校の補助金支給を行った。雇用政策では失業者に対する再就職支援や手当支給等を扱う連邦政府直轄の雇用促進局を設立した。しかし、この社会福祉諸政策は南部地域においては州政府が有色人種に対しては一部適用できないように阻止を図る法律を制定した。南部黒人が社会福祉制度の適用と公民権法の制定は第二次大戦後に持ち越される。

1928年大統領選

 1928年大統領選は社会民主主義政策の継続と金融市場への課税を掲げた社会党の若手ノーマン・トーマス候補が出馬、民主党は経済的繁栄の更なる繁栄と継続、産業界の経営者の意向を受け低関税政策による自由貿易を掲げたアルフレッド・スミス候補が出馬、共和党は穏健的革新主義政策による政府の統制と健全な市場経済による公益資本主義と高関税による保護貿易を掲げたハーバート・フーヴァー候補が出馬した。国民は社会福祉が浸透し実感を得ていた為に社会福祉の次は更なる経済的繫栄の声が高まり大統領選は民主党のスミス候補が当選した。翌1929年に社会党政権から民主党政権へ交代しアメリカ史上初めてのカトリック信徒の大統領が誕生した。

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フーヴァー共和党候補(左)、スミス民主党候補(中央)、トーマス社会党候補(右)