列強興亡史 -great powers history-

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世界概史【戦間期編①1920年~1929年】

1920年~1929年

 大戦終結後は世界的軍縮の声から前大戦の一要因になった建艦競争の抑制の為にワシントン海軍軍縮会議を実施し英米独日仏伊等の列強諸国の主力艦比率制限を設け、また陸軍の戦力(化学兵器禁止とハーグ条約の再確認と各国の再同意)の縮小が行われた。この20年代は大国間協調時代と呼ばれ世界的軍縮の声を受け入れつつ大戦前のパワーオブバランスを主軸とした国際政治の潮流が引き続いた。

 この20年代に国家組合主義と国家社会主義という全体主義思想が誕生した。国家組合主義は国家主義と革命的組合主義が結合したフランス発祥のナショナリズム政治思想である。主に西欧諸国で広まりイタリアのムッソリーニ、フランスのヴァロワ、スペインのリベラ、ポルトガルのプレト等が国家組合主義者の代表格である。国家社会主義国家主義社会主義が結合したドイツ発祥のナショナリズム政治思想である。ドイツやロシア、東欧・バルカン諸国で広まり、ドイツのシュトラッサー兄弟、ロシアのフォンシアツキー等が国家社会主義者の代表格である。

 20年代後半に欧米諸国では英国では労働党内閣、米国では社会党候補が大統領となり社会民主主義を掲げた左派政党が世界で初めて政権を担い始めた。これは、ロシアにおけるボリシェヴィキの敗北により武力を用いた人民革命が失敗した事で世界の社会主義勢力がマルクス主義に基づく“人民階級武装闘争から革命へ”と“国際主義”は成功しないと思い知らされ、一国社会主義及び直接行動に基づく闘争への転換が行われた。社会主義思想の潮流は社会民主主義労働組合主義とその傍系の思想が主となった。